副腎疲労症候群とは

毎日仕事や家事などで忙しい日々を過ごしていると、疲れが溜まって抜けないという感覚が出てきます。

そういう時は通常であれば睡眠を取ったり、ゆっくり過ごしたり、軽い運動をしたりして肉体的や精神的なリフレッシュをすると大抵は改善されるものではありますが、ずっと疲れが抜けないと常に倦怠感や疲労感を始め、頭痛など体調面にも不調が現れてきます。

長期間に及ぶ疲れや倦怠感は実は副腎疲労症候群という状態になっているかも知れません。

副腎疲労症候群とは

副腎疲労症候群とは、正式には病気ではなく体の状態を示す言葉です。同じようなよく耳にするものとしてはメタボリック症候群があります。最後に症候群という名前がつくものは病気ではなく状態を言い表しています。

そして、その名の通り副腎疲労症候群は副腎という臓器が疲労して本来の機能を果たすことが出来なくなり、そのために副腎が担っている体への役割が出来ないために主に疲労という状態が長い期間出ているものです。

副腎について

腎臓を知らない人はいないと思いますが、副腎については聞いたことがない人もいるでしょう。

副腎は簡単にいうと、腎臓の上に傘みたいに乗っかっている約3〜4cm、重さが約5gほどの小さな臓器です。

ではそんな小さな臓器が体ではどのような役割があるのでしょうか。

副腎の主な働き

身体活動を高める

副腎からはカテコールアミンという物質が放出されています。

カテコールアミンとはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった心拍数の増加、血管収縮、瞳孔散大や汗の分泌など身体活動を高める方向へ持っていくための物質です。

ホルモンの生成

副腎では以下のホルモンの生成もしています。

コルチゾール

コルチゾールはストレスを受けた時に、そのストレスに体が対応できるようにするために必要なホルモンです。

働きとしては以下のものがあります。

  • 肝臓で蓄えている糖の分解を行なって、体へ糖分の補充をしてエネルギーを沢山作れるようにする。
  • 筋肉でのタンパク質の代謝や、脂肪の分解で代謝を促進することで、これもまた十分にエネルギーを作れるようにする。
  • 抗炎症作用があり、あらかじめ炎症しにくいようにしてケガをした時でもとりあえず大事にならないように備える。
  • 免疫抑制を行い、これも結果的には炎症が起きた時に炎症を増長させないように最小限で留められるようにする。

これらはストレスを受けると、そのまま普通の状態では肉体的、精神的にも活動をする上でエネルギーが大きく不足するためにエネルギーを沢山作れるように働いています。また、人間も動物の一種であり、本来動物は敵に出会うと生死に関わりますのでもしケガをしても最小限で済ませて逃げて生存できるようにする仕組みも働きます。

アルドステロン

アルドステロンは血圧の調整に関わるホルモンです。

アルドステロンが分泌されると腎臓に作用して、腎臓で水とナトリウムを再吸収することで循環血漿量を増加させることで血圧を上ます。

これもある意味ストレスに対抗するための措置とも言えます。コルチゾールの所でもお話ししましたが、もしケガをして出血が多くなったら、元々体内にある量よりも増やして備えておかないといけません。

そのためにアルドステロンが分泌されることで結果的に体内の血液量が増えるし、血液量が増えることで血管にかかる圧力も高まるので(ホースの水をイメージしてください。水量が多い時と少ない時ではホースにかかる圧力が異なります。これが血圧です)血圧も上昇します。

血圧が高まれば身体活動も高まる要素になります。

副腎と疲れの関係

以上、副腎の主な役割について見ましたが、いかがでしょうか。

副腎は身体活動を高める方向へ持って行ったり、危機に直面する時に重要な働きをしていることがよく分かります。

ということは、日頃よりストレス状態にさらされていると、ずっと副腎がその状態に対抗するために働いているわけです。

副腎からすると「もう休ませてくれ」という思いでしょう。

しかしながら生活環境や生活習慣がどうにもならなくて、ストレスに対処できていないと常に副腎はフル回転です。

それが長期間続くと、副腎もやはり生きているので疲れてしまいます。副腎からすれば「もう限界だから休ませて」となり、副腎機能が低下していきます。

この副腎機能の低下した状態こそが、なかなか疲れが取れない、長い期間疲れが抜けないといった副腎疲労症候群という状態です。

このくらいまで放置してしまうと、1~2日寝たくらいでは機能が回復するのが難しくなってしまいます。

ただ、元通りにならないという訳ではなく、個人に見合った出来る範囲で生活習慣や食事、休養、治療などを行うことで徐々に回復していきます。

副腎疲労症候群は、最近でこそ日本国内で聞くようになりましたが、もっと前から欧米ではアドレナルファティーグ(副腎疲労)ということは着目されていて予防医学として治療されていました。

なかなか疲れが抜けない方は、副腎疲労症候群の可能性があります。ただし、これは病気ではないので自分自身の生活習慣や生活環境などを見つめ直して改善できることから始めてみてはいかがでしょうか。

最後に病気の概念とは異なる症候群の定義を記しておきます。

症候群とは、同時に起きる一連の症候のこと。原因不明ながら共通の病態を示す患者が多い場合に、そのような症状の集まりに名をつけ扱いやすくしたものである。

ウィキペディア

なかなか疲れが抜けない状態が続くときは、副腎の機能が低下しているかもしれません。

人間は休むことも必要です。たまにはゆっくりと静養することも大切ですよ。

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