カンジダ症とは ~慢性的な症状の原因になりうる~

なんとなく不調で、病院で検査をしてみても一向に結果が出ず原因がわからない様な全ての症状は、実は腸カンジダ症というカンジダ菌が原因で起こる様々な不調や免疫反応かもしれません。

慢性的な頭痛があったり、集中力が低下したり、いつも疲れていたり倦怠感があったりといういわゆる不定愁訴と呼ばれるもので悩まされている人たちの中には、実はカンジダ症だったということが少なくありません。

そこで、今回はカンジダについてみていきます。

ちなみに、腸カンジダや膣カンジダなどカンジダが増殖している部位によって名前が異なるものの、原因とするところは腸が大元のため、基本的にはカンジダに感染していれば腸内環境が悪いと言えます。

カンジダとは

カンジダとは真菌(カビ)の一種であり、赤ちゃんの時に分娩時や授乳時に体内へ入り込み、その後は腸内で常在菌として腸内環境の一部を構成しています。

カンジダ菌は他の腸内細菌と同様、通常はバランスよく共存しているので何も悪いことはしませんが、何らかの理由で腸内環境が悪くなり腸内細菌のバランスが崩れると一気に増殖してしまいます。

体内で菌が増殖してしまうと免疫力が低下して、さらに菌が増殖するという負のループに陥ります。

また、カンジダが増殖しやすい理由として、カンジダは二形成真菌という特性があり普段は酵母型で存在していますが、腸内環境が崩れてしまいその場所で増殖すると菌糸型という型へ変化して、これが菌の先から菌糸というものを伸ばして次々と増殖して病巣を拡大していきます。

  • カンジダとはカビ菌の一種で、腸内で常在菌として存在する。ただ、腸内環境が悪くなると特性が変化して粘膜が存在するあらゆる所で悪さをする様になる。

カンジダ症にかかると現れる主な症状

カンジダが増殖してしまうと全身にありとあらゆる不調を起こします。

  • 慢性疲労
  • 頭痛
  • 集中力低下
  • 皮膚の痒みや皮膚トラブル
  • 味覚異常や歯周病
  • 爪の感染症
  • 胃炎、食道炎
  • 食物過敏
  • 抑うつ症状
  • 潰瘍性大腸炎
  • 膣、口腔カンジダ
  • 血糖値の上下幅の大きな変動

カンジダが増殖すると、上記をはじめとした多くの慢性症状の原因となります。

中でも膣や口腔ではそれぞれの粘膜を採取して、そこから菌を培養してカンジダ症かどうかの判断をしますが、それ以外のものや、特に腸においては検査方法が一般的ではなく、検査キットも出ていますが費用も高いために認知度が低いためにカンジダ症というものがあまり知られていない一因ともなっています。

また、カンジダ症の原発は腸であることがほとんどと言えますが、腸カンジダは先の理由により膣や口腔カンジダよりもずっと知られていないために、潜在的な患者数は結構いるのではないかと思われます。

カンジダが増殖する原因

カンジダ菌が増殖しやすい原因として以下のようなものが挙げられます。

抗生物質の使用

抗生物質は菌を治療する有益なものですが、不要な菌に作用するだけではなく、有用な菌にも作用するために服用中は全ての菌に影響します。

そのため、腸内においては善玉菌にも作用して腸内環境のバランスが崩れて一気にカンジダが増殖することがあります。

  • 善玉菌も死滅するため、腸内環境のバランスが崩れてカンジダが増殖する

ピルの長期服用

ピルにも含まれているエストロゲンもカンジダ増殖に関係しています。

膣の粘膜にある膣上皮細胞にはグリコーゲンが含まれていますが、エストロゲンはこのグリコーゲンを増やす働きがあります。

そして膣から剥がれ落ちた膣上皮細胞の中のグリコーゲンはブドウ糖へと分解されて、本来であればその後は善玉菌の餌になって乳酸へと変換されPHを酸性に保ち膣内を清潔にしていきます。

しかしながら膣内環境が悪玉菌優位の状態にあるとカンジダ菌も増殖して、カンジダ菌は善玉菌のブドウ糖を横取りしてしまい、そのまま自分の糖分として補給をして結果、増殖を助けてしまうことになります。

  • エストロゲンがカンジダへエサとなる糖分を与える

砂糖の摂取

カンジダ菌が生きていく上では糖分の代謝が必ず必要になります。

そのため、砂糖を多く摂っている人はそれだけカンジダの増殖の手助けをしていることと同じ意味になります。

カンジダ菌が糖分を食べるとアラビノースと呼ばれる糖を作り出して、それがインスリン分泌(血糖値を下げる膵臓から分泌されるホルモン)を促して血糖値を下げて低血糖の状態にします。

私たちが活動していく上でのエネルギー源が糖分であるため、低血糖の状態では十分に活動できないためにその状態を解消しようとして、脳から沢山の糖分を摂取するように指令が出ます。これがカンジダ菌が増殖してる人の糖分を欲する理由です。

また、それを助長する要因としてカンジダ菌は酒石酸やシトラマル酸というものを作り出して、ミトコンドリアという細胞の邪魔をしてエネルギー産生を阻害します。先述したようにエネルギー源は糖分のため、そのエネルギー不足の状態を解消しようとしてさらに糖分を摂るようにまた脳から指令が出されます。

なので、カンジダ症の人は無性に甘いものを食べたくなるのです。

  • カンジダは糖分(砂糖)が大好物

ストレス

ストレスも当然、カンジダ症の原因となります。

大きなストレスや長期に渡るストレスがかかると、交感神経が優位な状態になり、自律神経が乱れていきます。

交感神経が優位になると、内臓機能を調節している副交感神経の働きが鈍くなるために腸の活動も低下してカンジダが増殖しやすい環境になってしまいます。

また、ストレスによる対抗措置として副腎という臓器から抗ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されますが、コルチゾールには血糖値を上げる作用がありますので、血糖値が上がれば結果的にカンジダが増殖しやすくなります。

このようにストレスの影響によってこれら以外にもカンジダ菌が増殖する仕組みがあるため、いかに過剰なストレスが影響するのかがお分かりいただけると思います。

ここまでお伝えしてきた他にも腸内のPHの影響や、歯の詰め物(銀歯)なども影響してくるため、カンジダが増殖する要因は意外と多くあります。

  • ストレスによる体内環境の変化が、カンジダが増えやすい条件と重なる

カンジダの増殖を抑える方法

カンジダの増殖を抑えるためには以下の3つを意識すると良いでしょう。

エサを与えない

カンジダの活動は糖代謝が必要不可欠のため、糖分がカンジダにとって一番のエサとなります。

そこでエサとなる糖分をなるべく摂らないように心がけることが大切です。

糖分は私たちにとっても最も重要な体のエネルギー源のため、不足すると良くありませんが、カンジダが増殖している人のほとんどは糖分を過剰摂取しているため、糖分の不足を考えることよりも摂取しすぎないように注意する意識が必要です。

まず初めにスナック菓子やケーキ、あんこなど砂糖を大量に使ったお菓子類を止めましょう。ただ、やはり我慢しすぎると余計に欲しくなるのが人の常ですので、そんな時のために自然の糖分ならば適量は摂っても良いでしょう。

例えばラカントやステビア、アガベなどの樹液などから採れる甘みに変えてみると良いです。こちらの甘みは砂糖と構造が違いますので、適量ならば摂取しても問題ないでしょう。

しかしながら、人工甘味料はよくありません。砂糖不使用やカロリーゼロといっても人口甘味料が入っていると、糖分自体が含まれていなくとも脳が糖分を摂取した時と同じ反応を取ると言われている研究があります。砂糖を取ろうが、人工甘味料を取ろうが、結局は脳が同じものと認識して血糖値を上げる方向へ持っていってしまうようです。

  • 砂糖はなるべく摂らない。もし摂るなら自然の中で採取したラカントやステビア、アガベを。

腸内環境の整備

カンジダが増殖すると、腸内細菌フローラが崩れてそこからさらにカンジダが増殖していきます。

腸内フローラが崩れると、ザルの網目が大きくなってしまい、そのような状態の腸は炎症が起こりやすくなり、さらには不要物まで吸収されてしまうため、結果として体の免疫力が低下してさらにカンジダが増殖しやすい環境になってしまいます。

そこで、傷んだ腸の修復をして腸内フローラを密にして網目が細かくなるようにする必要があります。

そのためにはビフィズス菌やプロバイオティクスなど、あるいは食物繊維をしっかり摂って善玉菌の量を増やしていくことが重要です。そのようにして善玉菌の量が増えていけば、悪玉優位でカンジダ菌が好き放題していた状況から、善玉と悪玉のバランスが取れて腸内フローラが密に形成されて腸内環境が改善していきます。

  • ビフィズス菌や食物繊維をたくさん摂って腸内環境を整える。

腸内のPHを高めない

腸内細菌にはそれぞれ好みのPHがあり、善玉菌は酸性を好み、悪玉はアルカリ性を好みます。

そのため、悪玉優位になった腸ではPHがアルカリ性になっている傾向が強く、そのような状態であると便が黒っぽくなる他、悪玉菌によって異常発酵などが起こりお腹の張り感やガスがよく出る、臭うなどの症状が現れます。

そこで悪玉が優位となってしまわないように、腸内のPHを高めないように工夫する必要があります。

これは腸内環境の部分で先述したように、善玉菌をたくさん摂取することでPHが上がりにくくなりますので、善玉菌が増えるようにビフィズス菌や食物繊維をしっかりと摂取しましょう。

善玉菌が増えれば、善玉菌の発酵によって酢酸や乳酸が作られて、これらは酸性の性質を保つために腸内のPHが高くなりにくくなります。そのことにより、一層善玉菌が増えて、不要分の悪玉菌が消えて腸内細菌のバランスが良くなり腸内環境が改善していきます。

  • 善玉菌を増やしてPHを下げる

まとめ

以上、カンジダ症についての概要と原因や対策方法をお伝えしました。

もし慢性的な症状で悩まされているならばカンジダ症の可能性がありますので、出来ることから対策をしてみると良いでしょう。また、カンジダではなくとも腸内環境は免疫力と関連するために、健康な人でも腸においては養生したいところです。

最後に以下の症状の中から5つ以上当てはまる項目があればカンジダが増殖している可能性がありますので、チェックをしてみてください。

(※確実な診断となるものではありません)

体調において

  • 偏頭痛
  • 慢性的な頭痛
  • 疲労感、疲れが抜けない
  • 食後に異様な眠気に襲われる
  • めまい
  • 集中力が持たない
  • 記憶が曖昧になる
  • むくみ
  • 繰り返す原因不明の微熱
  • 匂いに敏感になる
  • 気分の落ち込み、抑うつ感
  • 眠れない、寝つきが悪い

胃腸において

  • 下痢、便秘、あるいはそれらを繰り返す
  • 腹痛
  • 膨満感、張り感
  • ゲップがよく出る
  • ガスが臭う、よく出る
  • 食べ物アレルギーがある
  • 胃酸がのぼってくる
  • 逆流性食道炎・胃食道逆流症がある、あるいは過去になったことがある

婦人科において

  • 生理痛、生理不順
  • 不妊症
  • 生理前症候群がある (生理前の過食やイライラ、落ち込みなどの生理前の不調全般)
  • 性欲が出ない
  • 膣カンジダがある、あるいは過去なったことがある、繰り返している

その他

  • ピロリ菌感染
  • 情緒不安定
  • 甘いものへの依存、異様に甘いものが食べたくなる
  • ニキビや吹き出ものなど肌荒れ
  • 全身の痒み
  • 関節の痛みや筋肉の痛み
  • 慢性的な首肩こり
  • 病院で検査をしても異常が見つからない、何度検査しても問題ない

以上、チェックリストをご覧になり自分の症状と重ね合わせていくつ当てはまるか確認してみてください。

(※5つ以上当てはまるとしても、確定診断になるものではありません)

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