食材は熱を通すか、通さないかや、どの食材と一緒に調理するかで取れる栄養が変わってきます。
今回はよく口にする身近な食材である卵(鶏卵)についてリサーチします。
ちなみに、卵の栄養についてはこちらの記事でアップしていますので、ご興味がある方はご覧ください。
では早速、調理すると栄養がどのように変わるのかを見ていきましょう。
生卵の場合
卵を生で食べることで、卵に含まれているほぼ全ての栄養素を取れることになります。
また、卵の黄身に白いものがついているのを見たことはありませんか?
あれはカラザといって卵の中の黄身がずれないように固定する役割があるみたいなのですが、それ以上に嬉しい効果があります。
カラザにはなんと免疫力を高める効果や抗がん作用があります。
これはとても嬉しい効果ですね。カラザにはシアル酸という成分が含まれていて、そのシアル酸に免疫力アップや抗がん作用がありますので、カラザも捨てずに一緒に食べたいです。
加熱調理した場合
茹でたり焼いたりして熱を通しても、実はそこまで生で食べた時と摂取できる栄養に大きな変わりはありません。
ただ、やはり熱に弱いレシチンやビタミンB群は若干少なくなるようです。
レシチンはリン脂質の一種であり、脳や神経組織などに多く含まれ、細胞膜の大事な構成成分です。学習や記憶、睡眠、脂質の代謝にも関わっており、肝臓を保護する働きもあります。
ビタミンB群はエネルギー代謝が主な働きです。エネルギー代謝以外にも抗炎症作用もあるため、新陳代謝や神経・筋肉の修復にも関連します。身近なところでは、神経痛の時によく病院で処方される薬の一つにビタミンBがあります。
熱を通すか生で食べるかで一番異なる点は、ビオチンという成分であり、ビオチンは熱を通した方がより摂取できます。
ビオチンは熱や酸に強いために、加熱をしてもあまり減少はしない成分です。そのために、熱を通してもきちんと摂取できるのです。
なぜビオチンが熱を通した時の方がより摂取できるのかというと、実は生卵ではアビジンという成分が含まれていてアビジンはビオチンの働きを阻害します。しかしアビジンは熱に弱いために加熱調理をすると働けなくなるため、結果的にアビジンがなくなってビオチンが吸収できるという仕組みです。
ビオチンはビタミンB群に属するものでビタミンB7とも呼ばれています。ビオチンはアミノ酸、糖質、脂質の代謝を助ける働きがあるため、皮膚や粘膜の健康を保つのには不可欠な栄養素です。ただ、ビオチンが欠乏するということは大変稀なことでもあるために、不足はそこまで心配する必要はありません。
まとめ
卵は調理方法によって、摂取できる栄養はそこまで変わりがない上、非常に多くの栄養を含んでいるためにとてもありがたい食品です。
また、調理方法によってかなりのアレンジが効く食品でもありますので、ぜひ目安と言われている1日に2個は摂りたいですね。
卵を食べて栄養をつけて、丈夫な体にしていきましょう。