ビタミンEは細胞の酸化を防ぐために必要なものです。
今回はそんなビタミンEについて見ていきます。
ビタミンEとは
ビタミンEは細胞の酸化障害を防ぐために、細胞の膜の中で働いています。
また、ビタミンEの特性としては脂溶性ビタミンのため、他の脂溶性ビタミンや脂肪と同様にそのまま吸収することが出来ません。
そのため、ビタミンEを吸収するには一旦ミセルという物質に変換された後に、腸から吸収されて次にリンパ管へめぐり、その後血液中に入っていきます。
血液中に入ったビタミンEは酵素によって違う物質へ変換された後に肝臓へ取り込まれます。そして、肝臓からVLDL(超低密度リポタンパク)と一緒に再度血液中へ放出されて各細胞へ行き渡ります。
VLDL(超低密度リポタンパク)とは、肝臓から各組織へコレステロールを運びます。一般的によく耳にするLDL(低密度リポタンパク)という悪玉コレステロールがありますが、VLDLはそれよりももっと密度が低いものです。
一日あたりの必要量
ビタミンEは吸収率が51〜86%とされていましたが、21%ないし29%という報告もあるために、実際どれほどの吸収率なのかは分かっていないものの、それを踏まえた上で一日に必要な量を見ていきましょう。
男性
1〜5歳 | 3.0〜4.0 mg |
6〜11歳 | 5.0〜5.5 mg |
12〜17歳 | 6.5〜7.0 mg |
18〜49歳 | 6.0 mg |
50〜74歳 | 7.0 mg |
75歳以上 | 6.5 mg |
女性
1〜5歳 | 3.0〜4.0 mg |
6〜11歳 | 5.0〜5.5 mg |
12〜64歳 | 5.0〜6.0 mg |
65歳以上 | 6.5 mg |
妊娠中 | 6.5 mg |
授乳中 | 7.0 mg |
過剰に摂取した場合
ビタミンEは摂取したうちの2/3ほどが便で排出するため、普通の食生活を送っていれば過剰症になることはないと言えます。
研究データ上でも冠動脈疾患に対してビタミンEが有効であるとするものや、無関係とするもの、はたまた反対に死亡リスクを高めるとするものまでまちまちなようです。
また、近年での研究ではビタミンEを過剰に摂ることで骨粗鬆症のリスクに影響するというものがあるが、これは動物実験でのデータのために信頼できるデータとまでは言えないそうです。
不足した場合
過剰の項目と同じように、ビタミンEは普通の食生活を送っていれば不足することもないようです。
ただ、ビタミンEの働きとして抗酸化作用があるために、それらの影響として以下のことが考えられます。
- シミ、シワ
- 血行不良による冷えや肩こり
- 生理トラブル
- 更年期障害
- 血液中のコレステロールが酸化して血管壁を硬くするため、動脈硬化
以上のことが、酸化することで起こりうる症状ではありますが、基本的な食生活をしていれば問題ないでしょう。
ビタミンEが多い食品
ビタミンEは、種実類、油脂類、穀類、魚介類、豆類、野菜類に多く含まれていて、やはり抗酸化作用のイメージがある食品に多いですね。
うなぎ 100g | 4.9 mg |
カボチャ 100g | 4.9 mg |
アーモンド 15g | 4.4 mg |
めかじき 100g | 4.4 mg |
たらこ 40g | 2.8 mg |
アボガド 50g | 1.7 mg |
落花生 15g | 1.6 mg |
キウイ 100g | 1.3 mg |
上記の表を見ると、やはり抗酸化作用があるのはアーモンドというイメージがありましたが、その通りですね。量に対して摂取できる比率が非常に高いです。
その他、オリーブオイルや大豆や卵にも多く含まれていますので、どちらかといえばそちらの方が摂取するには食べやすいかもしれませんね。
まとめ
今回はビタミンEの働きや必要量、多く含まれている食品などをお話ししました。
ビタミンEは主に体の酸化を防ぐ抗酸化作用に長けています。
体が酸化して錆び付いてくると神経の働きが鈍くなるし、血管にも悪い影響が出るし、シミやシワなどのターンオーバーにも影響が出ますので、常に日頃から体の錆の予防をしておきたいものです。
基本的には不足することはなさそうですが、ビタミンEを多く含む食品を意識的に摂って体が錆びつかないようにしておきたいですね。