鍼灸の特性
鍼灸治療では症状よりも”人”を診ることを重視していますので今抱えている全ての症状を聞きだし、それらを総合的に考えて何が原因でそのような症状を作り出しているのかという観点で治療を行います。
人の体は症状が出た時点で、どこかに相当の負担がかかっていることを意味します。しかしながら症状が出ている場所自体に問題があるというケースは稀で、ほとんどの場合では根本原因とは異なる場所に訴えを出しています。そのため、根本原因の場所を探し出すことが症状が多岐にわたる場合や期間が長ければ長いほどに複雑になるため非常に難しく経験が問われるため、鍼灸治療は経験医学だと言われる所以でもあります。
現代の医学について
通常、多くの症状に対しては病院で検査を行い原因が解明したものはそれに対する薬やリハビリがあります。また、骨格や筋肉だけに問題があるならば整体やマッサージの施術を受けることで筋肉が緩み、骨格の歪みなども改善していくことでしょう。
しかしながらそれでも治らずに、むしろ日に日に状態が悪くなる人もいるのはなぜでしょうか。
その理由としては革新的な技術進歩している医学知見を通してでも、未だにわからないものが確かに存在するからです。
基本的に現代の主流医学は科学的な解明のもと行われています。多くの実証実験を繰り返し、効果が一定以上認められたものをランク付けしてエビデンスA(強く推奨)、エビデンスB(推奨)、エビデンスC(行ったほうが良い)といった具合に振り分けてそれらの情報をもとに適切な治療をおこないます。
しかしながら、これらのエビデンス通りに治療を進めても上手くいかないというケースも一定数あります。
やはり100%というものは残念ながら世の中には存在しないようです。もちろん医学でも同様です。例え優秀な医師が診察して様々な検査を施したとしても原因不明ということもありますし、原因が判明してもそこから先の治療方法がない場合もありますし、原因に対してエビデンス通りに治療を進めても期待する効果が出ないということも一定数あります。
現代医学は数字や画像を重視して、誰がみても同じように把握することができるため、普遍性・再現性が高いため多くの人を救える素晴らしい医学です。
一方でそれらの確立された理論で治療をしても治らない、改善しない人たちへの次なる手が現在の課題となり日々研究されています。
体に優しい鍼灸治療
例えば病気になってその病気の薬を服用するとします。そのことで病気が治ったとしてもそれは薬が治したのではなく、薬を取ることで働き過ぎた、あるいは働かなくなった部分を調整し正常な状態に戻すような誘導を行い、そのことにより機能が回復して通常の状態に戻り徐々に治癒していくと考えるのが自然です。
この理由としては、同じ症状で同じ薬を服用しても効果が出る人と出ない人がいるという事実があるため、いくら良いとされる薬やサプリメントを摂取しても自身の治癒力が弱いとなかなか治癒に向かう動きが出ないものだと思われます。
これらの要件を考えると、自分にとってどの選択肢が最も治癒に誘導してくれるのかを選別することがいかに重要かがお分かりいただけると思います。
薬に関しては治癒の誘導を強力にサポートする分、多かれ少なかれ副作用というリスクがついてきます。薬は化学薬品から作られるため、人体に影響を与える容量を決めることが非常に難しく、自身にとっての適量よりも多い場合には効能よりも副作用が強く出てしまいますし、少なければ期待する効果が得られません。また、実験でデータを取ったとしても実際には治癒力の個人差が大きいため、万人に一定容量で良いというものでもありませんが、最も再現性が良いだろうという量を処方されます。
その一定量でも効果が乏しく改善がされないという方は鍼灸治療を試していただきたいと考えております。
鍼灸治療を施すことで治癒力が高まり、結果的に薬よりも治癒力を発動できた、あるいは薬の副作用を取り除き効果だけを得られるような体質になった、はたまた以前よりも治癒力が高まることで薬の量を減らすことができたなど良い相乗効果が大いに期待できます。
また、鍼灸治療は薬剤とは無縁のため副作用はありません。
副作用とは異なりますが、それに似たものとして一時的に倦怠感や痛みなどの反応が出ることもあるようですが、これらは回復するための一つの段階であると考えられ、刺激が強い治療方法ではそれらの症状が出やすく、刺激が優しいものほど出にくいものです。
何かしらの症状を抱えている方は、基本的には治癒力が低下している状態なので優しい治療方法を選択されると間違いはないと思います。その点、当院では最小限の刺激量で最大限の効果を出す内容のため多くの方に安心して受けていただけることと自負しております。
当院の治療について
鍼灸は自然の摂理を基本とする東洋医学の治療の一つです。そのため、現代医学から捉える視点とは別の視点を持っています。西洋医学で原因がわからないものや治療しても効果がみられないものも、鍼灸では原因を把握することや治療方法があるということは多々あります。
この視点の違いから、今まで症状を治そうと努めてきたけれども納得できる効果が得られないという方に対しても治療を行うことができます。
鍼灸院はほとんどの方にとって治療手段の最終選択肢のようです。そのため病院や整体などで改善しない方々と数多く遭遇します。
当院では特にそのような方々にご来院いただくことが多く、2014年の開業以来未だに難解な症状や根が深い症状と対峙しておりますが、過去の施術結果は良好のため自信を持って日々治療をしております。
一方ご来院いただく全ての皆様の治癒を目指して最善を尽くしておりますが、残念ながら一部の方には期待する効果が得られなかったケースもあり力不足を感じる場面もあります。その度に色々と試行錯誤を繰り返しながら今に至っております。