前回は五十肩についてお話ししました。
今回はもう少し深く、当院での五十肩の考え方についてお伝えします。
五十肩は同時に左右どちらも出るケースは稀で、ほとんどの場合はどちらか片方に症状が出ます。(片方が治ったら反対側がまたなるということはあります)
そして当院では右側と左側では原因が違うと考えて治療しています。
今回は右側の五十肩についてお話しします。
基本的には五十肩の一般的な原因にプラスして以下に書く内容が加味されると考えてください。
まず五十肩に限らずどんな症状でも右側だけに出る場合は肝臓や胆嚢に原因があることがほとんどです。東洋医学では肝臓と胆嚢は表裏の関係とみなして、同じ仲間として捉えます。
このことは以前のセミナーで学んだことでしたが、その後自分の治療においてもそのことを何度も経験して、さまざまな書籍を読んでもいくつかの治療方法で同じことが書いてありました。なのである程度臨床をしている先人の先生方は同じようなことを考えていたのだと思います。
なぜ肝臓や胆嚢が原因だと右側に症状が出るのかという正確な理屈は説明できませんが、それでも肝臓は体の右側にあり、胆嚢も肝臓の裏にあるため右側に出やすいのでしょうか。
正確な理由はわからなくとも、それでも現象として確実に出てきます。
では五十肩でも右側に症状が出ている人は肝臓や胆嚢を治した方が良いということでしょうか?
答えはイエスです。
肝臓や胆嚢に病気がなくとも、機能的に低下していることがほとんどなのでこれらの処置は絶対的に必要になります。
まして東洋医学では五行という物事や現象を全て五つに分類して考える思想がありますが、それでいうと肝臓や胆嚢は筋と関係しているとされています。
そのため五十肩も筋肉や靭帯の問題ですから、ここでつながるわけです。
肝臓や胆嚢の機能が低下した時にはお腹や首、背中にいくつか反応が出るのですが、それを治療して取り除いていきます。
その後に肩自体の治療をしていきます。(先に肩の治療をしてから肝臓や胆嚢の治療をすることもあります)
このように最初に見つけた悪い反応を取り除く治療を、毎回行います。
その経過で肝臓や胆嚢の機能低下が改善されていくと、それらの反応が出る場所にも何も出なくなりますので、それと同時に五十肩の症状もどんどん緩和していきます。
ただし、内臓が機能低下するということは、それまで数ヶ月、あるいは数年間、はたまた数十年間負担をかけ続けてきた結果が今に現れているため、根本的に改善させることは容易ではありません。だから治るまでに時間がかかるのです。
これらのことからもう察しがついたように、今までと同じ生活をしていたら同じように肝臓や胆嚢に負担がかかり続けるので治療も一進一退でなかなか改善することができません。
今までと同じようにお酒を飲み続けたり、薬をたくさん飲んでいたり、ストレスを溜め続けたりしていれば結局は何も変わりません。原因となるものに対して負担がかからないような生活習慣に変えていかないといけません。
それは容易ではありませんが、今後の人生を考えるとある意味症状がこの先の道筋を正してくれるきっかけとなるはずです。そこに目を向けてきちんと養生できるかどうかが五十肩に限らず慢性的な症状を抱える人のとても大切なポイントです。
私たち鍼灸師をはじめ、医師でも体を治すサポートはできますが、あくまでも治すのは自分自身です。そこを理解していないと何をしてもどこに行っても何も変わることはありませんので、心に留めておいていただけたらと思います。
皆さんにとって最良のサポーターが見つかることを願い、今回はこの辺で終わります。