耳の痛み、聞こえにくさ

今回は耳の症状です。

数日前から鼻をすすった時に右の耳が痛くなると同時に詰まったような感じがして聞こえが悪くなってきたようです。

実際に来院時に鼻をすすってもらうと右の耳に痛みがありました。また聞こえも左に比べると少し悪いようです。

そこでまずは鼻や耳自体の病気がないか尋ねてみても、それらは特にないようです。(耳鼻科疾患においては実際に病院へ行って検査をしたとしても異常が見つからないことはよくあります。)

この時点で耳管という耳の気圧を調整する場所の付近に軽い炎症があることが考えられました。

次に東洋医学では耳に症状が出る時は腎に問題があると考えますので腎に関わる症状、例えばトイレが近い、体が冷える、腰痛がある、疲れが取れない、むくみの有無などを聞いてみると特にそれらの症状はないようです。

腎に問題がないのならば後は頚椎の問題が考えられます。

それらを念頭に実際に触診を行うと確かに腎の反応はあまり出ていませんが、右の頚椎の一部に結合組織の塊がへばりついていてボコっとしたしこりのようなものを触れました。

これが耳に向かう動脈を圧迫してその結果、十分な酸素や栄養が耳に供給されずに炎症が起こったと考えました。

そこでまずは全身の緊張を取り除く鍼を一本入れるとスッと頚椎のしこりのようなものが消えました。もしやと思い鼻をすすってもらうとこの時点で既に8割方の耳の痛みが取れていました。

そのためもう少し鍼に刺激を加えると鼻を何度かすすっても耳の痛みは一切出なくなり、詰まったような感じで聞こえが悪くなっていたのもクリアになり全て改善しました。

これはおそらく患者さん自身の自己治癒力が高いケースのため、こんなにすぐに改善するということは結構レアなケースではありますが改めて人間の体の凄さと不思議さを感じた症例となりました。

また自己治癒力以外の要素を考察すると、腎に問題がありその派生として出ている場合や、頚椎においても首の状態が相当に悪い人ならばもう少し治療をする必要があっただろうし、何度か回数も必要だったことでしょう。

これらの要件を考えると、いかに適切な治療が施せるかが重要なことがわかります。

もしこの患者さんが病院で薬をいくつか処方されたとしても最たる原因は頚椎にあったので耳の薬では改善しなかったかもしれません。

また反対にこちらで治療をしても全く変化が見られない場合は炎症が強く進んでいることが考えられるため(そのような場合は症状がもっと強く出ますが)、病院で抗炎症薬やステロイドを処方してもらいそれらと併用しながら治療をすればいち早くこじらせることもなく改善するでしょう。

このように自分自身の体質や治癒力の他に、症状の部位や程度などを全て考え抜いて最も適切な治療や提案がどれだけ出来るかが症状を解決する上で最も大切だということを改めて感じた症例でした。

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